そんなあなたに、会計士である私が実際に読んだ感想を紹介していきます!
⬇︎⬇︎以下から試し読みができます!⬇︎⬇︎
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『世界一楽しい決算書の読み方』ってどんな本なの?
本書は、企業が公に開示する経営成績や財政状態、企業の保有する資金の動きなどを示した決算書を、わかりやすく読み解いて、その企業のビジネスモデルや戦略を明らかにしていく内容になっています。
つまりこの本を読めば、
決算書からその会社のビジネス戦略を探る方法を知る
ことができます。
注意
本書はよくある会計本のような、『流動比率が高いからこの会社は〜〜』のような単純な財務分析の教本ではなく、決算書の数値からどういった収益モデルなのか?ビジネスモデルなのか?を考えるという意味での読み方が学べる本になっています。
会計クイズって何?
本書の副題に、"会計クイズを解くだけで財務3表がわかる"とあります。
この会計クイズとは、以下のようなものです。
【#会計クイズ 問題】
Twitter社の経営成績を表す損益計算書データはどれでしょう!?
登場企業
・Microsoft
・Netflixみんな大好き米国企業編です!
今週もよろしくお願いします(^^)回答は次のツイートから!
↓ pic.twitter.com/lTl3aZU6jR— 【#会計クイズ】大手町のランダムウォーカー (@OTE_WALK) August 16, 2020
*著者である大手町のランダムウォーカー氏のTwitterを引用。上記は財務3表のうちの損益計算書を簡略したもの。
会計クイズの良いところ大きく3点あります。
- 視覚的にわかりやすい
- クイズ形式だから、考える力がつく
- 実際の企業の決算書を用いるため身になる知識
本来は細かな科目がズラッと並ぶ決算書を上記のように視覚的にわかりやすくした図を用いて、クイズ形式で考えさせてくれる本となっています。
また、会計クイズのコンセプトとして、実際の企業の決算書をもとに作成されている。という点も重要です。
クイズ形式が肝要
読書は多くの場合、知識をインプットすることに意識が向けられがちですが、より効率よく学ぶためにはアクティブラーニングが重要です。このアクティブラーニングの取り入れ方としてクイズ化が有用であるとされています。以下の記事で詳細に解説しています。
『超効率勉強法』の感想!これは勉強法を凝縮した一冊です。
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『世界一楽しい決算書の読み方』レビュー!
実際に読んだ感想を紹介していきます。
- 会計知識0でも読めるつくり
- クイズの思考フローが会話形式
- フルカラーで見やすい
- 身近な企業がバンバン出てくる
1.会計知識0でも読めるつくり
各チャプターごとに財務3表を1つずつ見ていく流れのなか、それらの決算書の解説をしてくれるので、会計知識が0でも読めるつくりになっています。
またそのように段階的に学ぶことができるつくりのため、
よくある会計本のように冒頭から基礎知識の詰め込みが行われて読む気が失せてしまう…なんてことがないよう配慮されている印象でした。
初心者の気持ちを分かっている..!
2.会計クイズの思考フローが会話形式
上記の決算書の解説ののち、そのチャプターでみていく財務諸表に関連する会計クイズが出され、それを考えるという流れになっていますがその際に、
- 学生
- 営業さん
- 銀行員
- 投資家
- 筆者
の5名での会話形式で答えを出すまでの流れが書かれていきます。
これによって、
- 読者であるあなたが考えたのち、
- どのような流れで答えを出していくのかという思考フローも学ぶことができるのです。
"読み方"を学ぶ上でこの表現は非常にわかりやすかったです。
3.フルカラーで見やすい
本書はフルカラーになっていて会計クイズの視覚的なわかりやすさという長所がしっかりと生かされています。
どれだけ読みやすさに気を遣っているんだ…と感じさせられますね。
4.身近な企業がバンバン出てくる
LINEやメルカリ、セブンイレブンから日産自動車まで、本書で会計クイズとして取り上げられている企業は身近なものばかりです。
身近な企業だからこそ、ビジネス戦略を考える上で、決算書の数値と自分の肌感覚とが一致して納得できる。そんな学びがあります。
本書で会計クイズとして載っている企業の数は30社弱ともりだくさんです。
逆に身近だからこそクイズを間違えてしまう…そんな問題も多々あり勉強になりました。
逆にどんな人にはオススメできない?
上記のように、初心者から私のような会計の知識がある人間でも楽しめて学べる内容の本書ですが、
"会計学"として決算書の開示を学ぼうとする方には合わないと思います。
本書は計数的な財務分析というよりも、ビジネス戦略を読むという意味での決算書の読み方を紹介しています。
『世界一楽しい決算書の読み方』レビューまとめ
本記事の内容をざっくりとまとめていきます。
- 決算書からビジネス戦略を読む
- 会計クイズで視覚的にわかりやすい
- 初心者にも中級者にも学びがある
- 身近な企業で決算書の読み方がわかる
- 試し読みできるから見てみるのがベスト!
私も会計士の端くれですが、会計という一般受けしない内容を
ここまで身近に感じさせてくれる作りに終始驚かされるばかりでした。
就活生から決算書を読む必要のある社会人まで幅広い人に"ビジネスを理解するために決算書を読む"ことの楽しさや有用性を伝えてくれる内容です。
また、簿記試験受験生や会計士受験生などにとっても、勉強をより身近なものにしてくれる良書です。ぜひ手に取ってみてください。
本記事が少しでも参考になれば幸いです。