こんな疑問のために、ドラム式洗濯乾燥機と通常の洗濯機のコスパを徹底比較してみました。
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ドラム式洗濯機が便利なのはわかる、しかし値段が…
一般にドラム式洗濯機と呼称される、ドラム式乾燥機付き洗濯機。
必要なことは洗濯物を中に放り込むだけ。洗剤も多くのメーカーで自動投入となっているため、あとはスイッチを押すのみで洗濯+乾燥まで概ね3時間程度で一気に行うことができる忙しい現代人に魅力的な家電です。
しかし、通常の一人暮らし用の洗濯機であればせいぜい4~5万程度のところ、ドラム式洗濯機はその5倍近い値段になります。よってこの5倍近い金額を払ってまで買う必要があるのかどうか、定性的なメリット・デメリットの比較に加え、コスパ面での係数的な比較も合わせて徹底比較を行っていきます。
ドラム式洗濯乾燥機のメリット・デメリット
まずは定性的な情報での比較を行っていきます。とはいえ通常の洗濯機にできて、ドラム式乾燥機付き洗濯機にできないことはほぼありません。
ドラム式洗濯機のメリット
- 干す手間がかからない
- 生乾きになることがない
- 天候に関係なく洗濯ができる
- 洗剤自動投入により測る必要がなくても手が汚れない
といってもデメリットが無いわけではありません。以下のデメリットがあります。
ドラム式洗濯機のデメリット
- 価格が高い
- 洗濯物によってはシワが付く可能性がある
- 全自動ではあるが、フィルターの掃除は必要
- 乾燥を行うための脱水の振動と騒音が通常の洗濯機よりも大きい
比較の前提
デメリットはありますが、近年のドラム式洗濯乾燥機は、乾燥終了後も回転を続けるなどすることでシワがあまりつかないため、シワの問題は除外します。
参考
とはいえ、Yシャツなどはさすがにシワが目立ちやすい。ノンアイロンYシャツもしくは、Yシャツについてはクリーニング屋に投げることをおすすめします。
宅配クリーニングのリネットと呼ばれる自宅にいながらクリーニング屋のサービスなども非常に便利です。是非一考してみてください。(私も活用しています)
騒音についても通常の洗濯機もある程度発生することから考慮外とします。
また置き場所についてですがが、一般にドラム式乾燥機付き洗濯機は一人暮らしであってもものを選べば通常の防水パンにのるサイズのものが存在するためこちらも考慮外とします。
注意
実際に買われる際は、ドラム式洗濯機が置けるかどうか?を検討の上、購入することをおすすめします。特に一人暮らし物件に多い洗濯機ブースのように三方を壁に囲われているケースは要注意です。
よってコストパフォーマンスを考える上で、比較の要点になるのは以下の4点です。
- 洗濯機の本体価格
- 洗濯機の耐用年数
- 洗濯にかかる拘束時間
- ドラム式洗濯機の乾燥にかかる電気代
この4点に着目して比較していきます。
乾燥にかかる電気代について
ドラム式洗濯乾燥機の本体価格は安いものでは12万程度から高いものだと30万超と大きな開きがあります。
その理由の1つとして、乾燥方式の違いが挙げられます。以下は代表的な3つの乾燥方式です。
乾燥方式
- ヒーター式
- ヒートリサイクル式
- ヒートポンプ式
ヒーター式
80℃程度の温風を吹き付けて乾燥させる方式で、洗濯物の縮みが起きやすいなどデメリットが多いですが、その分本体価格が安くなります。10万円台で買えるドラム式洗濯機はほぼこのタイプですね。また、消費電力も他の方式に比較して高く、1回あたり50円程度かかってしまいます。
ヒートリサイクル式
以下で紹介する日立製のドラム式洗濯機で活用されている乾燥方式で、運転時に発生する熱を再利用することで、乾燥温度も抑えつつ、消費電力も抑えることができる中間的な位置づけになります。消費電力も1回あたり概ね28円程度と中間のため、今回の比較ではこのヒートリサイクル式での電気代で仮定して計算していきます。
ヒートポンプ式
エアコンと同様に空気中の熱を利用し乾燥させる方式で、電気だけでなく空気の熱も活用することから消費電力を大幅に抑えることができる上位モデルに活用されている乾燥方式です。消費電力も1回あたり概ね17円程度とかなり抑えられている事がわかりますね。
実際に比較してみた
それでは実際に比較していきましょう。
ドラム式洗濯機
- 本体価格:約25万円
- 使用可能年数:約10年
- 洗濯1回あたりの拘束時間:5分程度
- 乾燥1回あたりの電気代:26円程度
拘束時間について
ドラム式洗濯機においての拘束時間は、
- 洗濯物を入れてスイッチを押す:1分
- 洗濯物を取り出してしまう:3分
- フィルターの掃除を行う:1分
と仮定しています。
通常の洗濯機
- 本体価格:約5万円
- 使用可能年数:約10年
- 洗濯1回あたりの拘束時間:20分程度
拘束時間について
通常の洗濯機においての拘束時間は、
- 洗濯物を入れてスイッチを押す:1分
- 洗剤を測って入れる:1分
- 洗濯物を取り出して干す:12分
- 洗濯物を取り込んでしまう:6分
と仮定しています。
洗濯を1回行うにあたってかかる費用を計算
洗濯1回あたりにかかる本体代金
一人暮らしということで週に2回洗濯を行う前提で計算すると、1年間で約104回、それぞれ10年ほどは使用可能ということから、1040回分1つの洗濯機で洗濯を行うことになります。よって、洗濯1回あたりにかかる洗濯機の購入代金は、
- 通常の洗濯機=約48円(≒本体代金50,000÷1,040回)
- ドラム式洗濯機=約240円(≒本体代金250,000÷1,040回)
とやはり圧倒的にドラム式洗濯機が高い結果に。では、拘束時間あたりの費用も加味して考えてみましょう。
洗濯1回あたりにかかる拘束時間の費用換算
家事も労働です。そこでここにかかった時間を東京都の最低賃金により参考値として計算していきます。
東京都の最低賃金は現在1,013円/Hですので、
- 通常の洗濯機=約338円(≒最低賃金1,013÷拘束時間20分)
- ドラム式洗濯機=約84円(≒最低賃金1,013÷拘束時間5分)
と、拘束時間の時間効率的にはドラム式洗濯機が優勢の結果となりました。
乾燥1回あたりにかかる電気代
こちらは、乾燥を行うドラム式洗濯機のみ費用として加わる形になります。上記で例に上げたヒートリサイクル方式にて計算します。
なお、人によっては洗濯物を浴室乾燥機で乾かしているという方もいると思います。今回は考慮外としますが、参考までに浴室乾燥機3時間あたりでかかる電気代100円程度となります。
- ドラム式洗濯機=約28円
さて比較材料が揃ったので以下でまとめていきましょう。
ドラム式洗濯乾燥機と通常の洗濯機の比較結果!!
洗濯1回あたりにかかる費用の合計は、
- 通常の洗濯機:約338円
- ドラム式洗濯機:約352円
このような結果となりました。いかがでしょうか?想像していたより肉薄した結果となったなあというのが正直な感想です。
是非実際に購入を検討される際には、自分だったら何分ぐらいかかるかなとこのような形で整理していただければコスパの比較がしやすいかと思われます。
このコスパ面に加え、冒頭で挙げた定性的なメリット、つまり天気を気にしないでいいなどなどを考慮して検討するのが良さそうですね。
ちなみに私自身昨年末よりドラム式洗濯機を愛用していますが、洗濯に関わるストレスが一切なくなり、自由に使える時間が増えたことを実感しています。
天気を気にする必要がなくなったので、下着などむやみにふやさずとも確実に運用できますしね。
上述しましたが、浴室乾燥機を使っている方は、ほぼ確実に電気代で損しています。というのも浴室乾燥機3時間で確実に乾くかと言われるとそうでもないですよね…私自身そうだったのでわかりますが生乾きなどを避けるためにもう少し長い時間での運用をしていました。是非ドラム式洗濯機の購入を検討してみてください。
ドラム式洗濯乾燥機VS洗濯機の比較まとめ
本記事の内容をざっくりとまとめていきます。
- ドラム式洗濯機は本体こそ高いがコスパは良い
- しかし総コストでは通常の洗濯機のほうが有利
- 洗濯にかかるストレスで考えると無理のあるコストではない
- 結局は好み(それを言ってはお終い...)
ドラム式洗濯機は2020年で購入したものすべての中で一番良い買い物だったと思っています。
*上記は我が家と同じものです。(店舗で買ったからか自分は34万ぐらいした気がしますが…)
洗濯をストレスに感じている方は絶対買うべきです。本記事が参考になれば幸いです。